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ここでは、最終的なデザインの決め手となる印刷の仕上げ加工の種類とバリエーションについてまとめています。
入稿するデザインが決定したら、仕上げの最終段階となる加工方法について考えていきます。
印刷加工の種類によって、デザインの印象や雰囲気がかなり変わるので、事前にどのような種類があるのかも知っておく必要があります。
どのような加工方法が用いられているのか、定番となっているものからちょっと個性的でユニークなものをまとめてみましたので、チェックしてみてくださいね。
情報量はそのままで、閲覧しやすいコンパクトサイズになるので、フライヤーやチラシ印刷に最適です!
折加工の種類
他にも用途に応じて10種類以上の折り方があります。
紙に折り目を入れるので、スタンプカードや往復はがき、グリーティングカードなどにおすすめ!
手で簡単に切り離せる切り込みを入れるので、チケットやクーポン、申込書などにピッタリ!
保管に便利な穴あけ加工が施されたもので、壁掛けカレンダーや会報、広報紙などに便利!
印刷物の角を丸くする加工で、子供が使用する冊子や角の折れ曲がりを予防したい場合に効果的!
印刷してから行う特殊加工で、高級感や質感などを演出することが可能!印刷物のキズや汚れなどからも保護してくれる効果アリ。
何度も使用する冊子の耐久性を高めるために、紙の表面に特殊なフィルムを貼るので雑誌や教科書、アルバムなど大切にしたい印刷物向け!
紙に光沢のあるフィルムなどを貼ることで耐水性を高め見栄えもアップ!書籍のカバーやカタログの表紙に最適!
金や銀などの箔を転写させてロゴなどを強調させる加工方法で、華やかで高級感のある表現で印刷物をワンランクアップ!
凹状の型と凸状の型の間に印刷物を挟んで、浮き出すような立体感を演出してくれる加工で、用紙の風合いを活かした手法。
この他にも印刷会社によって、いろいろなオプション加工があるので、依頼する前に確認してみるとよいでしょう。
印刷通販会社で一般的に行われている「オフセット印刷」は、印刷用の版として平らなアルミ製の薄い板を使用します。アルミ板の表面には感光剤が塗られていて、光を当てることで硬化します。その硬化した部分が、文字や絵や写真などを描写するためインキが載る部分となります。
実際に印刷するには、露光した版をまず現像液で洗い流します。すると硬化していない樹脂は洗い流され、その部分は親水性をもつことになります。
さらにその版を水で湿らせると、親水層には水分が残ります。その上からインキを載せると、インキは油性ですから水分と反発します。その結果、硬化した非親水性の部分だけにインキがついて、印刷できるという仕組みです。
印刷用の版を湿らせる水を「湿し水」といいますが、これはただの水道水ではありません。印刷物の余白にインキ汚れがつかないよう、バクテリアを培養する有機物質や、アルコールなどの有害物質が大量に含まれているのです。
さらにカラー印刷の場合は、CMYKの4色分それぞれの版を作らなければいけません。その制作に使われる現像液も、強アルカリ性で有害物質を多量に含んでいます。じつは一般的なオフセット印刷は、環境に優しくない印刷方法と言えます。
先ほど紹介したオフセット印刷の問題点を解決したのが、水なし印刷です。印刷方式としてはオフセットと同じですが、湿し水の代わりにシリコンゴムを使っています。そのため、有害な廃液は一切出ません。
従来のオフセット製版で出た現像液などの廃液は、特別管理産業廃棄物に指定されています。特別な処理をしない限り、排水溝に流すことはできません。しかし水なし印刷の製版では現像液を使わないので、そのまま排水溝に流すことができます。
環境に優しい印刷方法として開発された水なし印刷ですが、ほかにもメリットがあります。従来のオフセット印刷では、水を使うためにどうしても滲みが出ていました。肉眼ではわからないくらいの滲みですが、拡大してみると細かく毛羽立ったようになってしまいます。
しかし、水なし印刷は文字通り水を使わないため、滲みが起きません。その結果、より精密で美しい印刷が可能となったのです。
高精細な水なし印刷では、文字がシャープに印刷されるので、圧倒的な読みやすさがあります。また写真やイラストの再現性も高く、画面が引き締まって見えます。
画像引用元:一般社団法人日本WPA HP
(http://www.waterless.jp/)
水なし印刷についての情報交換や広報のために設立された、「日本水なし印刷協会」という非営利団体があります。先にアメリカで発足した「International Waterless Printing Association」の会員となっている印刷会社が中心となって、日本での活動を始めたものです。
日本水なし印刷協会では、会員となっている印刷会社のみが使える「バタフライマーク」を制定しています。製版時に有害な廃液を手出さない、湿し水を使用しないといった、厳しい環境基準をクリアした水なし印刷物に表示することができます。
せっかく印刷物を作るのなら、環境保全にも配慮して水なし印刷をセレクトしてみてはどうでしょうか。印刷物にバタフライマークが入ることで、企業イメージのアップにもつながるはずです。