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ここでは、印刷物にはどのような種類があるのかを紹介しながら、目的や用途に応じたおすすめアイテムをまとめています。
印刷物といっても、出版や商業用をはじめ、事務用、梱包用といった特殊印刷などの種類に分類されています。
そこで、依頼する時に困らないよう印刷物に関する知識として、代表的な印刷アイテムの種類を集めてみましたので、どのようなシーンで利用するのがベストなのか、ぜひ参考にしてください。
写真やイラストが多いのでカラーの場合がほとんど。伝えたい商品や作品の細部に渡るニュアンスまで表現できるだけでなく、詳しく説明することが可能な媒体です。
おもな使用用途としては、営業用の資料やDMなどに用いられてることが多く、表紙などに特殊加工を施してデザイン性を出したり、多彩なバリエーションがあります。
オフセットとオンデマンド、2つの印刷方式をカタログのスタイルに合わせて使い分けます。オフセット印刷は、版を必要としないシンプルな印刷工程が特徴的。少部数印刷や短納期を実現したい場合にピッタリです。さらにオンデマンド印刷では、版を使用して印刷します。色鮮やかな多色印刷を可能としており、ページ数の多い大量印刷や費用を抑えたい場合におすすめです。
情報量によってサイズやページ数はもちろん、色や折り方など用途やデザインに応じて使い分けられる良アイテム!大きく分けると、中綴じタイプ、折りタイプ、ホルダータイプの3つに分類されています。
パンフレットの種類と特徴
パンフレットの印刷方式は多岐にわたりますが、主流はオフセット・オンデマンドです。オフセットは版から印刷する方式ですが、版が直接用紙に触れないため、鮮明な印刷が可能になります。パンフレットやチラシでもよく使用される方式です。オンデマンド印刷は版を使用せず、パソコンで作成した印刷用データから直接印刷ができます。版の作成が不要な分、納期が早く、少部数印刷でも費用が抑えられます。
よりキレイなパンフレットに仕上げたいならオフセット、少部数を安くスピーディーに印刷したいならオンデマンドがおすすめです。
参照元:東京カラー印刷(https://www.tcpc.co.jp/columns/index018)
販促ツールとして即効性や手軽さなどが受け、さまざまな企業や店舗の広告や宣伝といったお知らせなどに用いられています。
地域を限定して配布したりすることでターゲットを絞り、より効果的にアピールする事が可能!新聞の中に入れるものは、折込チラシとも呼んでいます。
リーフレットはチラシとパンフレットの中間的なもので、大きな1枚の用紙を折り曲げて使用するのでデザイン性に富んだものを制作することができます。
印刷方式の選択肢が多彩です。オフセット・オンデマンドに加えて、インクジェット・シルクスクリーン・フレキソ・グラビア等もあります。版を作成する必要がありますが、鮮明なカラーのチラシを作りたいならオフセットが良いしょう。また画質はオフセットに劣りますが、少部数のチラシをスピーディー・低コストに作成したいならオンデマンドがおすすめです。チラシのグレードや部数に合わせて、適切な印刷方式を選びましょう。
書籍とは、それ一冊を単体で出版する本です。ビジネス書、ハウツー本、学習参考書、小説、漫画など様々なジャンルがあります。チラシやパンフレット、雑誌のような定期刊行物とは異なり、長期間販売・保存されることを想定しています。
製本は2種類。糸やリングを用いて簡易に綴じた「並製本」、本の外側を厚い表紙(ハードカバー)で覆って製本する「上製本」があります。書籍の印刷は自分で行うこともできますが、専門の印刷会社に依頼するのが一般的です。
オフセットとオンデマンドが主流です。オフセットは細かな文字やカラー写真の再現性、表現力に優れています。大量印刷を前提とする本のうち、細かい文字が多く、なおかつ多くのカラー写真やイラストを掲載する場合はオフセット印刷が適しているでしょう。
一方、オンデマンドは細かい文字や色の再現性でオフセットのクオリティに及びませんが、工程スピードと少数部数の印刷におけるコスト優位性が高いです。数十部~数百部といった小規模な書籍印刷の場合はオンデマンドが適しています。
雑誌は、週刊誌や月刊誌など定期刊行物です。コレクター需要の高い一部のプレミア雑誌を除き、長期保存することを想定していないため、低コスト・スピーディー・大量生産方式で製本が行われています。製本は厚みのあるハードカバーを使用する「上製本」と、糸、針金、接着糊を使用する「並製本」(ソフトカバー)に大別されますが、雑誌の製本では後者の並製本が主流です。上製本ほど耐久性は高くありませんが、コストパフォーマンスに優れています。
雑誌の印刷には様々な方法が用いられています。一つは「凸版印刷」(活版印刷・フレキソ印刷)。凸凹のある版の凸部にインクをのせて紙に転写する方式です。くっきりとした輪郭部分のコントラストと、文字を鮮明に印刷できるのが特徴で、文字主体の雑誌に適しています。
他にも、ポピュラーなオフセット印刷やデジタル印刷(オンデマンド)、写真の多い雑誌の場合はグラビア印刷など、雑誌の印刷方式は媒体の性質や部数によって多種多様です。
かつてはニュースを伝える主要な手段だった新聞。現在では、SNSを含む種々のインターネットメディアや電子版(デジタル版)の台頭により、新聞社全体で発行部数を年々減らしています。情報媒体としても広告媒体としても、そのプレゼンスは低下傾向です。
新聞の印刷は、かつては凸版印刷でしたが、現在はオフセット印刷が主流です。オフセットは、刷版に付けたインキをブランケット(ゴム製の板)を介して新聞紙に転写する方式です。大量部数を短時間でスピーディーに印刷することができ、仕上がりも美しく、コストも抑えられます。短いスパンで大量発行することを前提とする、新聞やチラシにもってこいの印刷方式です。なお、新聞各社では高速・大量印刷を可能とする、新聞印刷専用の大型オフセット輪転機がフル稼働しています。
パッケージは、商品を魅力的に飾るための包装です。紙箱、トレイ、ペットボトル、プラスチック、チューブ、缶など様々な分野があります。パッケージは単に商品(内容物)を保護する役割だけでなく、様々な角度から見て魅力的に映り、売れる商品とするのが目的です。そのためパッケージデザインだけでなく、印刷工程も重要になります。
パッケージ印刷で用いられることが多いのは、オフセット印刷です。版を使用しながら、版が印刷対象に直接触れないオフセット印刷は、版と印刷対象の摩擦が起きにくいため、文字や色を鮮明かつ繊細に表現できる、クオリティ重視の印刷方式です。菓子箱や化粧箱など、紙箱の印刷に適しています。
紙箱以外では、フィルムやプラスチックの場合はグラビア印刷、段ボールやレジ袋の場合はフレキソ印刷、ガラスやボトルへの印刷にはシルク印刷がピッタリです。金や銀のメタリックな光沢仕上げを実現したい場合は、ホットスタンプ(箔押し加工)も効果的。文字通り「金箔」「銀箔」を熱により転写する方式ですが、容易な仕方で質の高い金属光沢が得られます。
目的、用途、素材によって適した印刷方式が変わりますので、パッケージ印刷では状況に応じてベストな方法を選択することが大事です。
伝票は、企業の取引や経理業務における金銭・物品の出入などを簡潔に記録するための書類です。入金伝票、出金伝票、振替伝票、仕入伝票、売上伝票など様々な種類があり、一枚ずつ記入する単式伝票、複数枚1セットで構成される複写伝票、ナンバー入り、ミシン目入り、モノクロ、カラーまで多様な書式・形態があります。作成にあたっては、自社の事業や個々の業務に合わせて使いやすい伝票をつくることが大切です。
伝票の印刷方式には、オフセット印刷と凸版印刷の2種類が用いられています。オフセットは平版印刷の一種です。少部数印刷には向いていませんが、数百部~数十部といった大量印刷に適しており、仕上がりがとても鮮明になります。一方の凸版印刷は、版の出っ張り部分(凸部分)にインクを載せて用紙に転写する方式です。仕上がりの鮮明さやクオリティはオフセットに及びませんが、製版代を安く抑えられるため、あまり高いクオリティを必要としない場合に使用されます。
封筒は、中に手紙や小物を入れて送るための紙袋です。私的な手紙から冠婚葬祭、ビジネスまで幅広く用いられる「長形封筒」、写真やグリーティングカードを送るのにピッタリな「洋形封筒」、ビジネスシーンで使用されることが多い「角形封筒」の3種類が代表的です。
封筒の紙素材も多種多様。クラフト紙を漂白した強度の高い「晒クラフト紙」、低コストで高い引っ張り強度を確保できる「半晒クラフト紙」、パルプを原料とし独特の風合いをもつ「未晒クラフト紙」、紙自体に最初から色がついている「カラークラフト紙」など選択肢が豊富です。
封筒の印刷方式は多種多様です。衰退傾向にあるものの、現在もハガキ、名刺、封筒印刷に用いられる「活版印刷」、現在の主流をなすポピュラーな「オフセット印刷」、水性インキも使用できる環境に優しい「フレキソ印刷」、少数部数の印刷では高いコスト優位性を発揮する「オンデマンド印刷」など様々な種類があります。それぞれに特徴やメリット・デメリットが異なるため、目的や用途、部数、素材に合わせてベストな印刷方式を選びましょう。